労働に関するお知らせ

「同一労働同一賃金」のルールが変わります

投稿日: 2026-06-10

「同一労働同一賃金」のルールが変わります

 

~身近な手当や休暇で考えてみましょう~

そもそも「同一労働同一賃金」とはそんなルールなのでしょうか。

これは、同じ職場の中で、いわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と
非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の
仕事内容や責任などが同じであれば、不合理な(説明がつかない)待遇差をつけてはいけないという考え方です。

ただし、必ずしもすべて同じにしなければならないわけではありません。
違いがある場合には、その理由をきちんと説明できることが大切とされています。
(出典:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000190591.html

制度が始まって5年が経ち、実務の中で分かりにくかった点を整理するため、
最高裁判決等を踏まえ、ガイドラインの見直しが行われました。
今回の見直しでは、身近な手当や休暇などについて、どのように考えるべきかが、
より分かりやすく示されています。

 

■身近な制度はどう考えられている?

厚生労働省のリーフレットでは、次のような制度について考え方が示されています。

●無事故手当
 安全運転など、事故がないことへの評価として支給されるものです。
 →同じ条件で働いているのであれば、雇用形態だけを理由に差をつけるのは難しいと考えられます。

●家族手当
 家族を養っている人への生活支援として支給されるものです。
 →労働契約の更新を繰り返し、継続的に働くことが見込まれるパート・契約社員の方には
 正社員同様に支払うことが求められます。

●住宅手当
 住居にかかる費用の負担を軽くするための手当です。
 →正社員同様、転居を伴う配置変更が見込まれるパート・契約社員の方には
 正社員同様に支払うことが求められます。

●福利厚生施設(食堂・休憩室など)
 社員が働きやすくするための設備です。
 →同じ職場で働く人であれば、原則として同じように利用できることが求められます。

●病気休職
 病気やけがで働けなくなったときに、一定期間休める制度です。
 →長く働いている人を守るという目的から、正社員に給与の保障を行うのであれば、
 労働契約の更新を繰り返し、継続的に働くことが見込まれるパート・契約社員の方にも
 正社員同様に支払うことが求められます。

●夏季・冬季休暇
 リフレッシュのための休暇です。
 →同じように働いているのであれば、雇用形態だけで差をつけるのは難しいと考えられます。

●褒章(表彰制度)
 功績や成果を評価して与えられるものです。
 →一定の期間勤続した労働者に付与する制度(永年勤続表彰等)であれば、
 雇用形態に関係なく対象とすることが基本です。

これらに共通しているのは、「その制度が何のためにあるのか」という目的に照らして判断するという考え方です。
単に正社員かどうかではなく、仕事内容や役割、制度の目的に合っているかどうかが重視されます。

今回の見直しに関係するルールは、令和8年(2026年)10月1日から適用される予定です。
企業には、それまでに制度の見直しや説明できる仕組みづくりが求められています。

 

■働く人へのメッセージ

自分の待遇に疑問を感じたときは、「なぜ違いがあるのか」を確認してみることが大切です。
納得できる理由があるのかどうかを知ることで、働き方や職場との向き合い方も変わってきます。
遠慮せずに説明を求めることは、決して特別なことではありません。

 

■企業へのメッセージ

制度の見直しで求められているのは、「すべて同じにすること」ではなく、
「違いを説明できること」です。
手当や休暇の目的を整理し、従業員に分かりやすく伝えられる状態にしておくことが、
トラブル防止や人材定着にもつながります。

 

同一労働同一賃金は、働く人と企業の双方にとって、「納得できる職場づくり」のためのルールです。
制度の内容や対応に不安がある場合は、社会保険労務士にご相談ください。
専門家として、実情に合わせたサポートを行います。